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今さら聞けないマーケティング戦略とは?【基礎知識編】

本記事ではマーケティング戦略に関して基礎的な考え方を紹介します。

こんな方におすすめ

 ・マーケティングの考え方・全体像を知りたい
 ・マーケティングに取り組むべき理由を知りたい
 ・そもそもマーケティングってなに?を知りたい

Aonaではベンチャー企業から上場企業まで50社以上のマーケティング支援を行ってきました。

どれだけ革新的なマーケティング施策を行おうと正しくマーケティング戦略が立てられていなければ成果に結びつかずマーケティング活動で成果を最大化することは難しいです。

成果が出ないと頭を悩ませ、マーケティング活用に費用や時間を投下する前に、まずはマーケティングについての理解を深め、基礎的な考え方を理解し、正しい戦略を立てていきましょう。

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マーケティング戦略とは?

マーケティング戦略とは、企業の目的を達成するために「どのようなお客様にどのような商品をどのような環境のもとでどのように売っていくか?」を決めることです。

マーケティング活動において決めなければいけないことは非常に多いです。

最近ではデジタル化やコロナ禍もありお客様の購買ニーズや購買プロセスも大きく変わりました。

構造マップ

「マーケティングの全体像 構造マップ」をみると領域が多岐にわたり、どこから計画と立てていけば良いのか分からないと思います。

その課題感を解決するために以下では「マーケティング戦略立案の手順」と「マーケティング戦略立案時に活用できる便利なフレームワーク」について解説していきます。

マーケティング戦略立案の手順を徹底解説

STEP1:環境調査

市場にはそのくらいの消費者が、何人いて、自社の商品・サービスと競合の商品・サービスをどのように見ているのか、情報を収集する必要があります。

市場環境調査で明確にすべきポイントは以下です。それぞれの内容を主観ではなく事実ベースで明確に回答できる状態にしておきましょう。

☑︎自社の商品・サービスを利用してくれる可能性のある顧客な何人いるのか?
☑︎顧客の持っているニーズはなにか?
☑︎顧客が求めている機能はなにか?情緒的に求めている要素はなにか?
☑︎市場にはどのような競合プレイヤーがいるのか?
☑︎市場のトレンドはどうなっているのか?

STEP2:市場細分化(セグメンテーション)

セグメンテーションとは同じニーズを持つ顧客のカテゴリごとにグループ分けをすることです。「性別」「年代」「地域」「収入」「趣味趣向」など、属性情報を軸としてグルーピングするケースが多いです。

広く浅く商品・サービスをPR・提供していくのではなく、同じニーズを持つグループに分類をすることでマーケティング活動の効率を高めます。

STEP3:ターゲティング

ターゲティングとは、STEP2:市場細分化(セグメンテーション)で分類したグループを「想定売上規模」「商品・サービスとの親和性」などの情報をもとにターゲティングとするか、しないか。どの優先順位でマーケティング活用を行っていくかと決めることです。

STEP2:セグメント(市場細分化(セグメンテーション)で分類したグループ)はそれぞれ異なる特性を持っているはずです。例えば、美容医療市場の場合、20代女性と50代女性が求めるニーズは異なりますし、購買力にも差が生まれます。

それぞれのセグメントに対し、一斉にマーケティングをしていくことは費用も人員も限られている場合、効率的ではありません。そのため売上拡大をめざすうえでセグメントの選択と集中を行います。

STEP4:ポジショニング

ポジショニングとは、顧客の頭の中で自社の商品と競合の商品の位置付けのことを指します。

突然ですが「安くて品質の良いアパレルブランドを思い浮かべてください」と言われたら何のブランドを思い浮かべますか?

思いついたブランドがあるかと思います。

ポジショニングとはターゲットとしているお客さんに対して、意図した認識を持ってもらう活動のことを言います。

ポジショニングを検討する際、「顧客が製品を購入する機能的な理由」「顧客が製品を購入する感覚的な理由」を調査し、競合が市場でどのようなポジションを取っているか明確に可視化したうえで決定していく必要があります。

STEP5:マーケティングミックス(4P)

マーケティングミックスとは、目標とするセグメントに対し、4つのPを用いて期待する反応・行動を引き出すための実行戦略のことです。

私たちは顧客の属性や趣味趣向までコントロールすることはできません。

しかし、企業のマーケティング活動において「製品」「価格」「流通」「プロモーション」の要素はコントロールすることが可能です。これらの4つの要素を適切に組み合わせ、市場で戦っていく必要があります。

STEP6:実行・分析・改善

戦略を立て実行に移したとしても、その戦略が成功するとは限りません。デジタル化が進み、市場環境はとてつもないスピードで変化し続けています。

最初に建てたマーケティング戦略に固執するのではなく、PDCAを回していきましょう。

マーケティング戦略時に活用できる便利なフレームワーク5選

マーケティング戦略立案に役立つさまざまなフレームワークがあります。

以下のフレームワークについて具体的な活用事例や図解を交えてご紹介します。

戦略立案時に使いこなしてみましょう!

PEST分析

PEST分析は、マクロ環境を分析するためのフレームワークです。Political(政治)、Economic(経済)、Social(社会)、Technological(技術)の4つの環境要因を分析します。企業が新しい市場に進出する際や、長期戦略を立てる上で、外部環境の影響を理解するために用います。

PEST分析

活用事例

1.国際展開戦略新しい国に進出する前に、その国の政治的安定性、経済成長率、社会文化的な傾向、技術インフラの発達度を評価します。
2.産業トレンド分析変化する経済環境下で、特定の産業が直面している社会的トレンドや技術革新の影響を分析します。
3.製品開発戦略技術の進化や社会的価値観の変化を踏まえ、新製品やサービスの開発計画を立てる際に外部環境を考慮します。

STP分析

STP分析は、市場をSegment(細分化)、Target(ターゲット選定)、Positioning(ポジショニング)の3段階で分析する手法です。まず市場を細分化し、その中から最も魅力的な顧客セグメントを選定。最後に、そのセグメント内での製品やサービスの独自の位置づけ(ポジショニング)を決定します。

STP分析

活用事例

1.新製品の市場投入ターゲット顧客のニーズやライフスタイルを基に市場を細分化し、製品のポジショニングを決めます。
2.ブランド再ポジショニング既存のブランドイメージを変更したい場合、ターゲット市場を再定義し、製品のポジショニングを調整します。
3.市場競争分析競合他社の製品やサービスと自社製品を比較分析し、自社の独自性と競争優位を明確にします。

SWOT分析

SWOT分析は、Strengths(強み)、Weaknesses(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)の4つの要素を分析することで、企業の現状と将来の可能性を評価するフレームワークです。内部環境の強みと弱み、外部環境の機会と脅威を明確にすることで、戦略的な意思決定を支援します。

SWOT分析

活用事例

1.事業戦略の策定自社の強みを活かし、弱みを改善し、外部からの機会を捉えて脅威を最小限に抑える方法を探ります。
2.合併・買収(M&A)の検討合併や買収の対象となる企業の強みと弱み、市場の機会と脅威を分析します。
3.新規事業の立ち上げ新規事業を立ち上げる際、市場の機会を最大限に活用し、事業計画におけるリスクを識別します。

3C分析

3C分析は、Company(自社)、Customer(顧客)、Competitor(競合)の3つの要素を中心に分析するフレームワークです。自社の内部環境、顧客のニーズと動向、競合との関係を総合的に評価し、競争優位を確立する戦略を立てるために用います。

3C分析

活用事例

1.競争戦略の策定競合分析を通じて市場内の競争状況を把握し、自社の強みを生かした競争戦略を策定します。
2.顧客満足度の向上顧客ニーズの深い理解を通じて、製品やサービスの改善点を特定し、顧客満足度を高める戦略を立てます。
3.市場機会の特定市場分析を行い、未開拓の顧客セグメントや新たなニーズを発見し、それをターゲットとした新しいビジネスチャンスを見つけ出します。

これらのフレームワークは、それぞれ異なる側面からビジネス戦略を考えるためのツールとして機能し、企業が市場で成功するための重要な決定を下す際に役立ちます。

企業のマーケティング事例から学ぶ

成功している企業のマーケティング戦略を知ることで、自社に活かせる部分が見つかることもあります。

今回は、知名度が高い3社のマーケティング事例をフレームワーク図解を交えてご紹介します。戦略立案時の参考にしてみましょう!

Appleのマーケティング戦略

STP分析

セグメンテーション:テクノロジー愛好家、プロフェッショナル、教育分野
ターゲティング:高品質で革新的な製品を求める上級ユーザー
ポジショニング:高級でユーザーフレンドリーなデザインと最先端技術の組み合わせ

Apple_STP分析

4P戦略

製品:iPhone、iPad、MacBookなど
価格:プレミアム価格設定
流通:Apple Store(実店舗とオンライン)、正規販売代理店
プロモーション:製品発表イベント、広告キャンペーン、SNS活用

Apple_4P戦略

ユニクロのマーケティング戦略

STP分析

セグメンテーション:幅広い年齢層、ファッションに敏感でない日常着を求める人々
ターゲティング:コストパフォーマンスに優れたカジュアルウェアを求める全年齢層
ポジショニング:高品質で手頃な価格の「LifeWear」

UNIQLO_STP分析

4P戦略

製品:カジュアルウェア、HEATTECH、エアリズムなど
価格:手頃で一貫した価格設定
流通:国内外のユニクロ店舗、オンラインストア
プロモーション:テレビCM、コラボレーション、店頭プロモーション

UNIQLO_4P戦略

コカ・コーラのマーケティング戦略

STP分析

セグメンテーション:全年齢層、食事やリフレッシュメントを求める消費者
ターゲティング:広範囲な消費者層、特に若年層
ポジショニング:伝統的な味とブランドの信頼性でポジショニング

CocaCola_STP分析

4P戦略

製品:コカ・コーラ、ダイエットコーク、ゼロシュガーなど多様な飲料製品
価格:競争力のある価格設定
流通:スーパーマーケット、コンビニ、自動販売機など多様なチャネル
プロモーション:テレビCM、SNSキャンペーン、イベントスポンサーシップ

CocaCola_4P戦略

マーケテイング戦略成功のポイント

マーケティングとは「情報戦」です。

徹底的な市場・消費者ニーズの調査を行い、競合のポジションも加味したうえで、市場のなかでどのようなポジションを取るか?がマーケティング戦略の成否を分けるといっても過言ではないでしょう。

この記事を書いた人
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株式会社Aona マーケティング事業部

田村 綾大

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2018年に株式会社サイバーエージェント入社。アプリ・B to B・実店舗・ECなど様々な領域でデジタルマーケティングを知見を積む。"マーケティングのインハウス支援"を促進する株式会社Aona設立、代表取締役に就任。
å「コンサル」と呼べるのか?と疑問に持つほど泥臭い支援を得意としています。

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